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治療方法

高度な専門技術と
患者さんに寄り添う姿勢、
技術と心をもった診療で、
手放さない医療を実践しています。

小村肛門科医院の初診ではまず、触診やデジタル肛門鏡などを利用して現状を把握します。診察後、服を着 て落ち着いてもらった状態でガイドブックや写真を交えて症状についてご説明するとともに、患者さんのご希望を伺い、 それぞれの治療法のメリット・デメリットも考慮しながら治療方針を決めていきます。
初めは投薬による治療が多く、手術に至る患者さんは全体の約 2~3 割程度です。例えばいぼ痔の場合、通常はただ「いぼ痔」が出ているだけですので、命に別状はありません。がんを心配して こられた方だと「ただのいぼ痔なら治療しなくていい」という方もいらっしゃいますし、逆に「気になるから取ってほしい」 という方もいらっしゃるので、患者さんが一番解決してほしいと思っているポイントを見極めることが大切です。患者さんの意向に沿った形で治療を行なっています。

痔核裂肛の治療

基本は、ライフスタイルを改善する生活療法、便通コントロール軟膏、座薬、内服薬を使用した薬物療法です。それでも改善しないような場合(出血がひどい、脱出によって日常生活に支障をきたす痛みから強い肛門狭いような場合)には、手術療法を行います(日帰り手術のページ参照)。

肛門周囲膿瘍・痔瘻の治療

肛門周囲膿瘍は腫れている部分を切開し、膿を出します(入院は不要です)。瘻管が残り痔瘻になった場合は、根治術を行います。痔瘻になって手術になるのは約5割程度です。

治療方法

便漏れ(便失禁)治療

•便失禁で悩んでいる人の多くは、恥ずかしさや、命に関わるものではないこと、また治療法があることを知らないために病院に行ってみてもらうことが少ないのが現状です。
•また、専門に見ている医師も少ないことから「年だからしょうがない」と諦めてしまうことも多いようです。
•ライフスタイルを考慮しながら、その程度と原因にあった治療法を行っていきましょう。
•便失禁は予防も治療も可能です。

便失禁の検査方法
•問診:どのような時に、どんな便が漏れるのか、症状を伺い、便失禁スコアで現状を評価します。
•肛門指診:肛門に指を入れて直腸や肛門の病気の有無や筋肉の異常を確認します。
•肛門内圧検査:肛門括約筋を締めた時、緩めた時の圧力を測定して筋肉の強さを確認します。

便失禁治療
1. 保存的療法
•水様便だと漏れてしまうが、形のある便だと漏れない状態の方がいます。そのような場合、便をある一定の形に保つ内服薬を使用することで、症状の改善を見ることがあります。
•また、肛門の中に便が残ってしまい、それが後から出てきて漏れるという方もおられます。排便姿勢の指導、便を出しやすくする注入薬や座薬を使用し、便を出し切ることで、症状の改善を見ることがあります。

2. バイオフィードバック療法
•肛門括約筋を鍛えるトレーニングを指導しますが、自分では肛門をしめているつもりでも、大臀筋(お尻の筋肉)にしか力が入っていない場合があります。肛門括約筋を上手に締めるのは意外と難しいのです。
•そこで肛門に圧力センサーを入れて、モニターを確認しながら肛門を締める練習をして自分で締め具合を覚えるのが「バイオフィードバック療法」です。

3. 低周波電気刺激療法
•肛門の筋肉は肛門を取り囲む内肛門活約筋と、さらにその外側にある外肛門括約筋があります。
•外肛門括約筋は自分の意志で締めることができますが、内肛門括約筋は自分の意志で締めることができません。
•そのため内肛門括約筋の筋力低下に対しては自己訓練法やバイオフィードバック療法はあまり効果がありません。そこで考案されたのが、低周波の筋力強化作用を利用した低周波電気刺激療法です。

<低周波電気刺激療法とは>
•肛門に細い棒状の電極を入れて約10分間刺激します。
•少しチクっとするだけで強い痛みはありません。
•低周波には、自律神経改善作用、血流改善作用、感覚改善作用もあり、効果が期待できます。

治療方法
治療方法
治療方法

当院における低周波電気刺激療法の実践が、大腸肛門機能障害研究会で奨励賞を受賞しました。

当院で行った治療が論文掲載されています
肛門科の難病と言われる肛門痛、自己臭症にも対

臨床研究
肛門科医院における「肛門が臭う」という主訴患者に対する治療の実際
小村 憲一, 杉山 順子
日本大腸肛門病学会雑誌 2022 年 75 巻 4 号 p. 162-169
DOI  https://doi.org/10.3862/jcoloproctology.75.162

抄録
目的

肛門科医院における「肛門が臭う」という主訴患者に対しての治療を報告する.

対象と方法
2年間で19名の患者を対象とし,肛門疾患があれば手術,薬物治療,希望者に肛門管内低周波電気刺激療法,骨盤底筋体操指導を行った.

結果
19名中10名に症状の改善を認めた.内訳:手術は3例に行い,全例改善した.電気刺激療法は11例に行い,肛門管内随意収縮圧が90mmHg未満の4例は骨盤底筋体操の指導も同時に行い全例改善した.肛門周囲皮膚炎,直腸瘤の1例,慢性裂肛の1例は,薬物治療で改善.肛門に何の異常も認められなかった10名中9名は改善せず,改善した1例は海外移住することで改善していた.

結論
肛門に器質的疾患を有する肛門が臭うという主訴患者は,手術,薬物治療を行えば,改善する可能性がある.また,肛門管内随意収縮圧が90mmHg未満の女性患者には,電気刺激療法+骨盤底筋体操指導は試みられて良い方法である.

臨床研究
慢性機能性直腸肛門痛患者に疎経活血湯が有効であった症例の検討
小村 憲一
日本大腸肛門病学会雑誌2023 年 76 巻 5 号 p. 367-371
DOI  https://doi.org/10.3862/jcoloproctology.76.367

抄録
目的

慢性機能性直腸肛門痛(以下肛門痛)患者に対する,疎経活血湯の使用経験を報告する.
対象は57例.治療効果の判定基準は,痛みが完全に消失したもの「著効」,軽減したもの「有効」,不変であったものを「無効」とした.

結果
著効19例,有効25例,4週間以内の内服で効果を示した.
副反応により中止した2例を除き「著効有効例」44例と「無効例」11例を比較した.平均年齢:62.1歳,55.1歳.男女比:17/27,8/3と女性に効果が多く認められた(有意差あり).病悩期間,肛門疾患手術既往歴,脊椎疾患の有無には有意差は認めなかった.治療中の精神疾患の有無:6/38,7/4であり,精神疾患のない患者に効果が多く認められた(有意差あり).

結論
肛門痛に対して,疎経活血湯は77.2%に症状改善がみられ,4週間投与すれば効果が現れ,有効な治療法と考えられた.
特に女性と精神疾患のない患者に有効率が高かった.

疾患 用語説明
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