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日帰り手術

当院では、安全な日帰り手術を
おこなっています。

小村肛門科医院では、1935年開設以来、日帰り手術を行ってきました。日帰り手術においては、侵襲をできるだけ、抑えることが重要です。手術は全例局所麻酔(痔瘻の場合は腰椎麻酔)によって行っています。

簡単な手術のみならず、従来なら入院しなければ行えなかった疾患についても患者さんの負担を減らすべく創意工夫して日帰りで行えるように取り組んでいます。例えば、内痔核硬化療法を取り入れたことで、入院手術でしか治療できなかった大きな脱肛を伴う内痔核も日帰りでの治療が可能となってきました。

当院の手術の特徴

当院における日帰り手術の特色としましては、

麻酔法の工夫 / ジオン注による4段階注射法 / ジオン注併用痔核手術

をおこなっています。

麻酔法の工夫 ①

局所麻酔時の痛みをとるための工夫として、以下の事を行っています。

麻酔には細い針を使用し、薬液をゆっくり注入します。

通常の麻酔剤は酸性ですが、当院では中性に調整したものを用います。

鎮静剤を使用し、局所麻酔時の痛みを緩和します。

麻酔法の工夫 ②

腰椎麻酔を行う場合は、細い穿刺針を使用する事

麻酔薬投与量は最小限にする事

これらの工夫により、腰椎麻酔であっても日帰り手術での対応が可能です。

ALTA(ジオン)注による4段階注射法

痔核を注射にて治す画期的な方法です。主に内痔核が適応で、外痔核は適応ではありません。わかりやすくいいますと、押し戻すと戻る痔核が適応です。今までであれば、高齢や合併症ゆえに手術ができず、対処できなかった患者さんに対しても行うことができるようになりました。


脳梗塞後遺症にて歩行困難、車いすの方の全周性の脱肛に対し、ALTA(ジオン)注施行。脱出は著名に改善し、粘液による肛門周囲のかぶれも軽快しました。

基本的に痛くない場所(神経のない部分)に注射をうちますので痛みを感じません。注射をうつために、専用の肛門鏡を挿入しますが、その挿入に痛みを感じる場合には局所麻酔を行います。副作用は、術後の発熱、術中の血圧低下、術後1〜2ヶ月してからの少量の出血ということがありますが、頻度は少なく、いずれも一時的なものであり、時間の経過とともに軽快いたします。ただし、外痔核を有する症例には不向きであり、適応が少ないこと、再発率は3年で20%ほど認めます。

ALTA(ジオン)注併用痔核手術

内痔核に対する手術ですが、従来は結紮切除半閉鎖術を行ってきました。
この方法は従来からある大変優れた方法なのですが、ある一定の割合(約1%)で術後出血をおこすことがありました。
この解決のために、ALTA(ジオン)注併用痔核手術を行うようにしました。
歯状線(肛門の皮膚と粘膜の境界線)のやや口 側まで結紮切除し、内痔核にALTA(ジオン)注を行うという方法です(図 )。
術後出血をおこす場所は、 切除せず注射で治療していますので、術後出血のリスクは激減し、切除範囲の減少から術後疼痛も減りました。
またALTA(ジオン)注単独療法よりも、ALTA投与量が抑えられるので、ALTA特有の合併症を起こす頻度が少ない、という良いとこどりの方法です。

ALTA(ジオン)注併用痔核手術

痔核根治手術(結紮切除半閉鎖)

痔核を切除し、切ったあとの創縁を縫い合わせるといった方法です。ジオン(痔核硬化剤)注射も同時に行い、手術と注射の併用で行う場合もあります。(2024年は325例施行)

痔瘻根治手術

肛門の皮膚と直腸粘膜との境目にあるくぼみに細菌感染をおこし、膿、管を形成したものが痔瘻です。この入り口を処理し、痔瘻を治す方法です。

切開解放術(瘻管をすべて切開するため再発が少ない、括約筋を一部切る必要がある)、seton法(痔瘻の管の内から外へゴムを通してしばることで、時間をかけて切開する)、括約筋温存術を行っています。括約筋の侵襲の少ない方法ですが、治癒までに時間がかかります。括約筋温存術は括約筋の侵襲が少なく、治癒も早いですが、一定の再発(約10%)があります。それぞれの症例に応じてベストの術式を選択して行っています。(2024年は83例施行)

裂肛根治手術、肛門狭窄形成手術(括約筋切開術、皮膚弁移動術)

切れやすくなった裂肛部分を切除します。裂肛になった原因として、筋肉の緊張が強い場合には括約筋切開術を、肛門上皮の瘢痕、硬化により狭窄をきたしている場合には皮膚弁移動術を行います。(2024年は77例施行)

日帰り手術の後を快適に
過ごしていただくために。

日帰り手術
日帰り手術
日帰り手術

入院手術にも対応

遠方の方や、家庭の事情、不安等様々な理由で、入院手術を希望される患者さんへの対応として、入院可能な施設と連携して入院手術を行なっています。ただし、全身状態の悪い方や、併存疾患のために全身管理の必要な患者さんは、高度医療機関に紹介しています。

日帰り手術と
入院手術の違い

日帰り手術は、そのまま術後帰宅して頂きますが、術中鎮静剤を使用するので、帰宅時に付き添いが必要です。入院と、日帰りのメリットとデメリットはお互い相反することですが、

入院のメリットとしては、何か心配なことがあった時に、すぐに看護婦さんが 来てくれる安心。また、痛みが強い場合には、追加の注射等がうけられること。術後安静が保たれる。 デメリットは、費用がかかること。(約 8~10 万円)

日帰りのメリットは、慣れた家で過ごすことができ、小さいお子さんがいる場合は、一緒にすごすことができる。術後入浴は翌日からして頂くが、好きな時に入れる事、費用が安いこと(約 3 万円)。デメリットは、痛みが強い場合に、内服薬の追加で対処するしかないこと。翌日から通院しなければならないこと。

小さいお子さんがいて、家を留守にできない方や、自営業で、電話番でも自宅にいる必要があるかたは、日帰りを選ぶことが多いです。一人暮らしのかたや、家事の助力が得られない方は、入院を選ぶことが多いです。
どちらの選択にしても一週間過ぎれば同じです。

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