医師紹介
院長 小村 憲一
1968年生まれ
兵庫医科大学医学部卒
日本大学大学院医学研究科卒
医学博士
日本大学消化器外科、社会保険中央総合病院大腸肛門病センター勤務後、現在に至る。
日本臨床肛門病学会認定技能指導医、日本外科学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医
日本大腸肛門病学会指導医、評議員
内痔核治療法研究会世話人
特 色
私たちは「患者さん一人一人を家族や友人のように思い、
寄り添って関わります。誰もが安心し、元気を回復する治療を行います。」
この実現に全力で向かっています。
肛門疾患専門の保険医療診療所であり、現院長の祖父が、1935(昭和10年)に開設いたしました。
平成18年に父の後を継承するまでは、肛門科領域のメッカともいうべき社会保険中央総合病院(現 東京山手メディカルセンター)大腸肛門病センターの岩垂純一先生(現在東京銀座で診療所開設中)に師事。開業してからもご指導をいただき、丁寧で、こだわりを持った手術を行っております。
症例数・治療・成績:2022年の肛門疾患手術数は痔核手術373例、痔瘻手術79例、裂肛手術97例(重複含む)でした。治療は、肛門周囲膿瘍切開排膿術以外は、保存的治療より始め、効果なき場合には、手術に移行いたします。血栓性外痔核は、痛みの強いものや、大きいものには、血栓摘出術を、出血の続く内痔核には、5%フェノールアーモンドオイルを用いた痔核硬化療法を当日行うこともあります。また、脱出を伴う痔核には、ALTA注を用いた4段階注射法や、半閉鎖式結紮切除術を行います。特に大きな脱肛には、両者を組み合わせた低侵襲な方法で行っています。裂肛は、狭窄が強度なもの、疼痛の強いものが、手術適応で、側方皮下内括約筋切開術、皮膚弁移動術を行います。痔瘻は、括約筋に損傷を与えない機能温存手術を心がけており、括約筋温存手術、瘻管くりぬき術、切開開放術、シートン法を行い、ほぼ満足した結果が得られています。これらは全て、外来日帰り手術で行っています。入院が必要な方は、当院からの紹介で近隣の医療機関に入院して手術を受けて頂くことも可能です。
問診、視診、触診をおろそかにせず、大腸悪性疾患の早期発見にも努めており、必要な場合は、大腸内視鏡検査をすすめます。また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)や、便秘や下痢の便通異常の治療にも、問診や生活習慣の聞き取りを重視し、指導、治療を行っています。肛門衛生については、誤った自己治療を行っている患者さんが多く、肛門掻痒症を引き起こしていることが多いので、正しく指導を行っています。
また、身体障害者福祉法指定医(膀胱、直腸機能障害、小腸機能障害の診断)の資格も持っていますので、必要な場合には対応できます。
悪性疾患、炎症性腸疾患、合併症を有したり、難治な症例は、国立がんセンター、東京山手メディカルセンター、慈恵医大葛飾医療センター、日本大学病院、日本医科大学附属病院、東大病院、東部地域病院等を紹介させていただいています。
便漏れ(便失禁)治療
- 便失禁で悩んでいる人の多くは、恥ずかしさや、命に関わるものではないこと、また治療法があることを知らないために病院に行ってみてもらうことが少ないのが現状です。
- また、専門に見ている医師も少ないことから「年だからしょうがない」と諦めてしまうことも多いようです。
- ライフスタイルを考慮しながら、その程度と原因にあった治療法を行っていきましょう。
- 便失禁は予防も治療も可能です。
便失禁の検査方法
- 問診:どのような時に、どんな便が漏れるのか、症状を伺い、便失禁スコアで現状を評価します。
- 肛門指診:肛門に指を入れて直腸や肛門の病気の有無や筋肉の異常を確認します。
- 肛門内圧検査:肛門括約筋を締めた時、緩めた時の圧力を測定して筋肉の強さを確認します。
便失禁治療
1. 保存的療法
- 水様便だと漏れてしまうが、形のある便だと漏れない状態の方がいます。そのような場合、便をある一定の形に保つ内服薬を使用することで、症状の改善を見ることがあります。
- また、肛門の中に便が残ってしまい、それが後から出てきて漏れるという方もおられます。便を出しやすくする注入薬や座薬を使用し、便を出し切ることで、症状の改善を見ることがあります。
2. バイオフィードバック療法
- 肛門括約筋を鍛えるトレーニングを指導しますが、自分では肛門をしめているつもりでも、大臀筋(お尻の筋肉)にしか力が入っていない場合があります。肛門括約筋を上手に締めるのは意外と難しいのです。
- そこで肛門に圧力センサーを入れて、モニターを確認しながら肛門を締める練習をして自分で締め具合を覚えるのが「バイオフィードバック療法」です。
3. 低周波電気刺激療法
- 肛門の筋肉は肛門を取り囲む内肛門活約筋と、さらにその外側にある外肛門括約筋があります。
- 外肛門括約筋は自分の意志で締めることができますが、内肛門括約筋は自分の意志で締めることができません。
- そのため内肛門括約筋の筋力低下に対しては自己訓練法やバイオフィードバック療法はあまり効果がありません。そこで考案されたのが、低周波の筋力強化作用を利用した低周波電気刺激療法です。
- 肛門に細い棒状の電極を入れて約5分間刺激します。
- 少しチクっとするだけで強い痛みはありません。
- 低周波には、自律神経改善作用、血流改善作用、感覚改善作用もあり、効果が期待できます。
診察室の様子
受付です。一人は母で、先々代の時から働いており、当院の生き字引です。
手術室担当看護師です。手術はうつ伏せの体位で行います。どちらかが院長の妻です。
術後のリカバリー室です。リクライニングシートで休んで頂きます。娘に患者さん役をやってもらいました。